片山健さんの講演会
今年の猫の日は、鎌倉で行われた絵本作家の片山健さんの講演会に行きました。
出版社の港の人主催の、片山令子さんのエッセイ集刊行記念講演です。
片山令子さんは片山健さんの奥様で、『たのしいふゆごもり』など、すばらしい共作でも知られています。
残念ながら片山令子さんは、2018年の春にお亡くなりになられました。
ここで私の、片山健ベスト絵本を下記に挙げます(共作含む)。
・コッコさんシリーズ (とくに、『おやすみなさい コッコさん』『コッコさんのおみせ』)
・『タンゲくん』
・『やまのかいしゃ』
・『ぼくにきづいたひ』
いろいろ好きだし、子どもの頃たくさん読んだけれど、これらがとくに好き。
コッコさんのおかあさんが、ちょっと派手な美人で、片山令子さんそっくりなのです。
そんなところに、今読んでなお、あたたかな気持ちになります。
講演会は鎌倉女学院の二階堂学舎で行われました。
講堂は、お話ししている人の背が一面ガラス張りになっている、
緑が明るくて、光の射し込む、とても気持ちのいい空間。
片山健さんのお話を聴くのは初めてだったけれど、片山健さんはとてもおだやかで、チャーミングな、素敵な方でした。
思いつくままあっちこっちに飛んでいくお話も楽しくて、そのうえ講堂のあたたかさも相まって、
一日中ずっとお話を聴いていたい気分になりました。
ささめやゆきさんが偶然にも近くにお座りになっていらして、
片山健さんがお話の中で何度も、ささめやゆきさんが素晴らしいとおっしゃるので
最終的にピッと姿勢を正したささめやさんが可愛くて可愛くて、
一部始終を見られた私の席はまさに特等席だった……。
ささめやさんいつもお洒落。
講演会が終わってからは、小町通りをすこし入ったところにある、
大好きなミルクホールという喫茶店に行きました。
ミルクホールは10年前くらいに、小町通りをうろうろしていたときに偶然見つけた
ささめやさんの絵がたくさん飾られている、ものすごく素敵な喫茶店です。
季節のレモンパフェを食べました。
夜、父が持っている片山健さんの画集『迷子の独楽』を見返しました。
『迷子の独楽』は、バルテュスや佐伯俊男、ポール・デルヴォーを思わせる、とても幻想的でエロティックな画集なのですが
そのテイストは絵本の作風と、そう遠くないように私は感じます。
子ども向け、大人向けというのはとても曖昧で適当な感覚で、
絵本は子どものためにあるわけではないのです。
片山健さんが好きなように表現したものが、私はとても好きだという、
ただそれだけなんだと改めて感じた一日でした。